1273◆ #週刊ドラマ語り ~『直ちゃんは小学三年生』は中年ウォッシング? 好みから正しさ問題まで、適切なキャスティングについて考える

タネラジ  ~よのなかぜんぶタネにしよう~
タネラジ ~よのなかぜんぶタネにしよう~
1273◆ #週刊ドラマ語り ~『直ちゃんは小学三年生』は中年ウォッシング? 好みから正しさ問題まで、適切なキャスティングについて考える
/

ドラマの感想から考察、思い付きを喋ります。今回は、ドラマの「適切なキャスティング」について。「その役にふさわしい人」ってなんだろう。正解はあるの?結局は好み?。正しい配役って何?など考えます。

配役の話題は、ドラマでも映画でもそこそこ盛り上がります。考えればそれは作品の一部でしかないわけですが、やはり配役が気になる。原作とそっくりだ、誰が出るから視聴率が上がるだ、人気だけじゃん、今回はネットの意見を聞いたな、事務所に屈するな!などとまあ自由自在。
一方で海を超えれば、ホワイトウォッシングなど「正しい配役」という課題もあります。人種や性自認などの差別の歴史も踏まえて、役に近い人がいるならばその機会を与えることが大切ということでしょう。配役の偏りが作品を歪ませる可能性もありつつ、どちらかというと人権や労働問題なのかもしれません。そして日本でも、日々多様性が可視化されつつあり、似た課題について検討の余地があると思います(むろん外国人などマイノリティの描き方はいまだステロタイプが多い、演じる役者もいつも同じ、など問題は既にあります)。
とはいえ、俳優は単に本物の代わりにあてがわれているだけではありません。現時点でも制作者はこだわりをもって配役していると思います。しかしあえて言えば、従来のキャスティングの概念が、機会の平等性だけでなく、面白さ自体を毀損している可能性もあるかもしれません??
今回は、適切なキャスティングをテーマに、作品の魅力を叶える配役とは何?から、いわゆる「正しい配役」問題まで、いろいろと考えてみたいと思います。(ポ

<トピックス>
◆キャスティングに纏わる問題
◆適切なキャスティングとは
◆日本において適切なキャスティングを行うためには

<キャスティングに纏わる問題>
◆年齢入れ替え
『直ちゃんは小学三年生』
→子どもの役を大人が演じるということ
→今までにも子どもが子どものまま、子どもあるあるを描いたドラマはあった
→ギャップがあってこその面白さ(企画段階からだから役が奪われたことにはならない?)
→子どもをバカにしているように見えなくもない

◆性別入れ替え
『シリーズ・江戸川乱歩短編集』
→男性の役を女性が、女性の役を男性が演じるということ
→特に違和感は感じない。
→様々な人が演じてきた明智小五郎という役だからこそ女性版で観たい面も

◆人種入れ替え
『この恋あたためますか』
→アジア人の役を日本人が演じるということ
→日本で暮らすアジア人俳優の演じられる役が減る?
→カタコトの演技は、相当な演技力がないと難しい

『のだめカンタービレ』
→白人の役を日本人が演じるということ
→明らかに馬鹿にしているように見えるが原作のままでもある

◆LGBTQ、トランスジェンダー
『チェリまほ』『逃げ恥SP』『女子的生活』『きのう何食べた?』
→LGBTQ、トランスジェンダーの役をLGBTQ、トランスジェンダー以外が演じること
→そもそも日本は、カミングアウトできる環境か
→LGBTQ、トランスジェンダー当事者が演じられる役を奪う?

◆障がい者、要介護者、患者
『にじいろカルテ』『俺の家の話』
→障がい者、要介護者、患者を障がい者、要介護者、患者以外が演じること
→障がい者、要介護者、患者が演じられる役を奪う?

◆体と心の入れ替わり
『天国と地獄』
→心が男性の役を女性が、女性の役を男性が演じるということ
→入れ替わりそのものの面白さ
→過剰な女性性、男性性が出ているように見える
→そもそも動いている時、話している時に性別らしさは出るか

◆ビジュアルの違い(実在モデルの存在)
『麒麟がくる』『青天を衝け』
→明智光秀と織田信長と渋沢栄一

◆ビジュアルの違い(モテ、非モテ問題)
『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』『あのコの夢を見たんです。』
→モテそうな人が非モテを演じる

◆原作との違い
『夢中さ、きみに。』
→原作から勝手にイメージした実際の人間像

◆当て書き
『誰かが、見ている』、坂元裕二作品
→俳優をイメージして役を作る

◆人ありきのキャスティング
ジャニーズ主演作品

◆他の作品との連動
『アンナチュラル』と『MIU404』
→大倉孝二と吉田ウーロン太

◆前の作品からのつながり
『青天を衝け』
→ディーン・フジオカ

◆動物役
『おじさまと猫』
→神木隆之介が猫の声

◆本人役
『バイプレイヤーズ』『竹内涼真の撮休』
→本人たちそのもの

◆政治的思想
大河ドラマ、政治ドラマ

◆絶妙なキャスティング
『その女、ジルバ』
『ここは今から倫理です。』
→役からキャスティングをしている印象
→ともに原作もの

 

<適切なキャスティング&日本において適切なキャスティングを行うためには>
そもそも、役と俳優が完全に同じであることはありえない。
なので、役のイメージと俳優が異なることは問題ではない。
とはいえ、適した配役はあるはずで、最優先は当事者への配役を。
難しい場合は、当事者に失礼のない演出と演技を。
批判された時には答えられる論理を。
海外ではすでに行われている。日本はどうだ。(オレンジ

 

<参考>
◆wikiより~映画におけるホワイトウォッシング(英語: Whitewashing)
アメリカ合衆国の映画業界で白人以外の役柄に白人俳優が配役されること。映画黎明期よりたびたび白人俳優が白人以外の役に配役されてきており、映画の歴史と共にある。日系アメリカ人活動家のガイ・アオキは「アフリカ系アメリカ人がホワイトウォッシングの対象であるのと同様にアジア系民族も経験している」と語った。ネイティヴ・アメリカンにも同様のことがいえる。白人が多数でない国では「カラー・ブラインド・キャスティング」といって白人以外の俳優が白人の役を演じることがある。

◆enpaku 早稲田大学演劇博物館 | Inside/Out ─映像文化とLGBTQ+
性の視点から映画やテレビドラマの歴史を紐解くと、目の前に広がるのは男女の恋愛物語だけではありません。そこには同性同士の恋愛や情愛、女らしさ/男らしさの「普通」に対する異議申し立て、名前のない関係性などを描いた物語が存在します。
本展では、戦後から2020年初めまでの映画とテレビドラマを主な対象に多様なLGBTQ+表象に着目し、製作ノート、パンフレット、スチル写真、台本、映像などの多彩な資料とともに歴史を振り返ります。
会期:2020年9月28日(月)~2021年1月15日(金)
会場:早稲田大学演劇博物館 2階 企画展示室
入館無料
主催:早稲田大学演劇博物館・演劇映像学連携研究拠点
https://www.waseda.jp/enpaku/ex/10407/

以上、

//////////////////////////////////////////////////////////
世の中、ぜんぶタネにしよう
【タネラジ TANERADIO】
Website  https://taneraji.com/
お便り https://taneraji.com/mail/
Twitter https://twitter.com/taneraji
//////////////////////////////////////////////////////////

おすすめ