1742◆技術の話なのにエモかった。わかりたいが止まらない技術の文化祭~NHK技研公開2022に行ってきた話 #イベントレポート

タネラジ
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1742◆技術の話なのにエモかった。わかりたいが止まらない技術の文化祭~NHK技研公開2022に行ってきた話 #イベントレポート
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今回は、NHKが研究開発している放送関連技術のお披露目会「NHK放送技研公開2022」へ行ってきた話。3年ぶりに会場実施されました。3Dの最新技術や手話CGなど聴きどころたくさん。解説員の方の質問への対応に感謝です。https://taneraji.com

技術に萌えているのか、説明の美しさに萌えているのか。とにかく惹かれる技研公開

「NHK技研公開」は、受信料制度のおかげで、プロから放送技術の知見をどうどうと聴くことができる機会。ただの素人の私が、何に役立てられるわけでもないのに、解説員の方から説明をきくと、なんだかわかったような気になって心地よくなってしまいます。基礎の基礎みたいな話から、素人の無理やりなたとえ話、まだ決まっていない先の話、弱み、など答えにくいところもNHKらしい丁寧さで、結構な素人乱暴質問も程よく答えてもらえました。時間ギリギリまで解説してくださった方々に、ああ爽やかな心地よさ。
そんなわけで、丁寧に、でも浮足立っているレポートです。

<イベント>
◆技研公開2022
最新の研究開発成果を一般に公開。「技術が紡ぐ未来のメディア」をテーマに、新たな視聴体験をもたらす3次元映像技術、放送・通信などの伝送路を意識せずにコンテンツを楽しめる技術、撮像・表示技術の基礎研究など、16件の研究開発成果を紹介する。

期間:2022年5月26日(木)~29日(日)
会場:NHK放送技術研究所(東京・世田谷)
※リアル開催については、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、完全事前予約制。
主催:NHK放送技術研究所(技研)
※公式サイトでは、各展示の解説動画。さらにいくつかのテーマの公演動画もあります。
https://www.nhk.or.jp/strl/open2022/index.html

▽参考 技研公開2018
展示数は33個、来場者は4,454人
https://www.nhk.or.jp/strl/open2018/tenji/index.html

◆NHK放送技術研究所(技研)
日本唯一の放送技術分野を専門とする研究機関。日本でラジオ放送が開始された1925年の5年後である1930年に設立された。
研究所:地上14階 地下2階 総敷地面積 約33,000m2
職員数:251人(うち研究者223) 特許保持数 2030(国内)
※2021年3月時点データ
https://www.nhk.or.jp/strl/publica/annual/2020/pdf/annual2020_about.pdf

<技研公開2022 3つの柱>
1.イマーシブメディア~よりリアルに世界を体感~
⇒「イマーシブ」とは「没入感のあるさま」
2.ユニバーサルサービス~いつでも・どこでも・誰もが~
⇒誰でも楽しめるというNHKらしい
3.フロンティアサイエンス~基礎研究により未来のメディアを創造~
⇒つまり、今すぐ実用性があるわけではない技術。これか花開くのを支えるのが肝だと思います。

<技研公開2022 ポンが面白かった展示ベスト3>
3位◆あらゆる映像の志向がネタに。NHKが教育業界に進出しそう
~(2) パーソナルデータとコンテンツデータの活用技術 ※ユニバーサルサービス
「NHKラーニング2025」というデモでは、視聴・学習データを元にコンテンツを提案するというもの。すでに他社でも運用されているだろうけれど、テレビ放送の分野がこの世界に入ってくると、かなり面白そう。エンタメと学習が一体化していくというか。
ベースの技術としてPDS(Personal Data Store)「事業者にはデータを渡さずにユーザー自身が管理をする」仕組みをうたっていた。
個人情報の扱いは難しいが、パーソナル学習の仕組みをNHKが手がけていると思うと凄いビジネスになりそうです。

2位◆「3Dを1台のカメラで撮ること」の凄さを少しづつ理解する楽しさ
~(14)コンピュテーショナルフォトグラフィーによる3次元撮像 ※フロンティアサイエンス
今までは、20、30台必要だったものが1台で撮ることができるという話なのですが、基礎研究なのでそう簡単なことではありません。しかし素人的にはその辺をシンプルに聞きたい、いや言葉使いは間違えられない、といった具合に難しい。ポイントは、
・静止画から動画になった
・ただし一秒間に一フレーム(見るとカクカク)
・モノクロ
・サイズも数センチサイズ
といったところ。
次の目標は「撮影サイズを大きくしたい」との話。未来が楽しみ。

1位◆10年の手話ニュースの蓄積が結晶化。手話のリアルなCGの頼りがい
~(15)日本語ニュースからの手話CGアニメーション生成技術 ※ユニバーサルサービス
文章を入力すると、翻訳ソフトに似た感じで、手話にしてくれるという技術。手話は国ごとに異なり、日本語とも構造が一致しているわけでないので、まさに翻訳。しかも手話は人が手と体と顔(表情)で示すコミュニケーションツールだから、映像でないと再現できない。だからこそのNHK。
10年以上もやっているNHK手話ニュースを手作業で分解して、言語化。現在では、8000語から分析して手話翻訳ができるというからすごい。
ただし、文章を翻訳する技術なわけだけど、手話ではもう少しディテールや文脈みたいなものを盛り込んでいたりするらしく(天気の情報、雨の強さなどを手の動きで表すなど)、研究者の人たちはまだまだとのこと。逆に、テレビゲームとかCGの表情付けに、活用できる気がしました。

<参考>
◆「NHK技研公開2022」リポート/ステレオサウンド
1 https://online.stereosound.co.jp/_ct/17543297
2 https://online.stereosound.co.jp/_ct/17543348
3 https://online.stereosound.co.jp/_ct/17543372

◆「NHK技研公開2022」レポート。3年ぶりにリアル開催復活
https://www.pronews.jp/news/202205301318295490.html

◆公式サイト内のいろんな動画ほか
各展示には解説動画。さらにいくつかのテーマの公演動画もあります。
・ラボトーク CGで実現する未来の手話サービス/スマートプロダクション研究部 内田翼
・ラボトーク 紙より薄い!超柔軟有機ELが作る未来のディスプレー 新機能デバイス研究部 大野拓
・ラボトーク 本物感まるごとキャプチャー、リアルを演出「メタスタジオ」 空間表現メディア研究部 三須俊枝
・特別講演 Beyond 5G時代の「人間中心の情報システム」/国際大学GLOCOM 主幹研究員 砂田薫
・特別講演 メディア技術の別の在り方 情報と想像/早稲田大学基幹理工学部表現工学科 教授 橋田朋子 氏
・オープニング講演 Future Vision 2030-2040の実現に向けたNHK技研の取り組み/NHK放送技術研究所長 今井亨
https://www.nhk.or.jp/strl/open2022/index.html

以上、

週末の配信回「タネメガネ」では収録後、気が付いたことや追加で考えたことなどを振り返っています。よろしければそちらもお聴きください。
https://taneraji.com/series/tane-look-back/

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