1763◆50年前の沖縄に思いをはせる展示たち。~公文書でたどる沖縄の日本復帰@国立公文書館/沖縄復帰50年と1972@ニュースパーク #イベントリポート
イベントで体感して見えた感じたことを共有したい。今回は、沖縄復帰50年に関して行われた二つの展示を見た感想をお伝えします。https://taneraji.com/
<レポートイベント>
◆令和4年春の特別展「沖縄復帰50周年記念特別展 公文書でたどる沖縄の日本復帰」@国立公文書館
令和4年(2022)は、昭和47年(1972)に沖縄が日本に復帰して50周年を迎えます。これを記念して、戦後の沖縄の歩みと日本政府の沖縄に関する政策を、当館所蔵資料から描く特別展を開催します。
会期:令和4年4月23日(土)~6月19日(日) 9時15分~17時00分※期間中無休
会場:国立公文書館
料金:無料
https://www.archives.go.jp/exhibition/
◆企画展「沖縄復帰50年と1972」@ニュースパーク
沖縄タイムスと琉球新報を中心に地元紙が復帰をどう伝えたか、当時の紙面と写真で紹介します。沖縄戦、米軍統治、復帰以降の沖縄をめぐる報道も取り上げます。また、1972年は、国内外でさまざまな事件・事故が起きた年でもありました。それらを報じる当館所蔵の号外・紙面も紹介します。展示資料は約100点です。
会期:2022年4月23日(土)~9月4日(日)午前10時~午後5時
休館:月曜日(祝日・振替休日の場合は次の平日)
会場:ニュースパーク(日本新聞博物館)
料金:一般400円ほか
https://newspark.jp/exhibition/ex000271.html
<沖縄返還の流れ>
◆1951年:サンフランシスコ講和条約で日本は主権を回復したけれど、一部アメリカ統治となった。(北緯30度線以南の鹿児島県大島郡と沖縄県)。沖縄は約27年間、アメリカ統治に。
・ドル/パスポート(琉球列島米国民政府発行の渡航証明書)/右側通行/政治体制:琉球列島高等弁務官のもとに琉球列島米国民政府が置かれ、琉球政府の上部組織etc
◆1965年(昭和40年)8月19日 佐藤栄作首相が訪問(当時はベトナム戦争も)
◆1969年(昭和44年)11月19日から21日にかけて佐藤首相とリチャード・ニクソン大統領はワシントンD.C.で会談を開き、日米共同声明を発表、沖縄の施政権が日本に返還されることが約束
◆1972年(昭和47年)5月15日 本土復帰
◆1973年(昭和48年)5月3日 本土復帰復帰記念沖縄特別国民体育大会(1973年5月6日まで)
◆1975年(昭和50年)7月20日 沖縄国際海洋博覧会開会(1976年(昭和51年)1月18日まで)
※ひめゆりの塔事件 ※跡地は2002年に「沖縄美ら海水族館」
◆1978年(昭和53年)7月30日 右側通行が左側に
<紹介ポイント1.会場の雰囲気>
◆国立公文書館
ガラスケースに入った貴重な書類
◆ニュースパーク
約100点の新聞が生々しくそこにある魅力
<紹介ポイント2.展示 気になったところ>
◆国立公文書館
・軍の行動記録 6月23日に牛島中将(昭和22年)
・サンフランシスコ講和条約の交付原本(昭和27年)
・3条で沖縄奄美小笠原諸島がアメリカの統治下である
・佐藤栄作の日記 昭和40年8月19日
・日米共同声明
・昭和47年5月15日の武道館で読んだ式辞の原本
・右側通行を左側にする政令 昭和53年7月30日にすることにした
▼見どころ動画
https://www.archives.go.jp/news/20220516.html
◆ニュースパーク
・新聞展示が約100点、琉球新報、沖縄タイムズなどを中心に紹介
・記事の中にある単に祖国復帰おめでとうだけでない空気。
・大学のデモたくさんあり
・当時那覇でも、全国的にも抗議デモがあった(高校生参加の写真も)
~復帰の日もベトナム戦争真っ只中。飛行機KC135空中給油機は飛んで行った
・号外紹介~1972佐藤とニクソンの笑顔写真で、一月八日に号外 琉球新報
・沖縄戦新聞2005「沖縄戦新聞」※2005年度新聞協会賞受賞
琉球新報社が、60年後に最新の情報で新聞を作った
<紹介ポイント3.端っこを見る>
◆新聞の広告を見る 企画展「沖縄復帰50年と1972」@ニュースパーク
・書籍広告「ガンは怖くない」「寂しいアメリカ人 桐島洋子」「女性の職業一万種から700を選りすぐった 女性の職業のすべて」「お父さんが子供で戦争の頃」「耳袋 平凡社(当時の風俗を描く)」「吉川英治 新平家物語」
・日本の書物を円で買おう、という広告
・専売公社がタバコと塩を売ります、という広告
・一度寄ったらまた行きたくなると人は言う 男同士の話が桜坂と決まったら 決して無駄にはなりません クラブセンター(飲み屋の宣伝)
・髭剃り後に力道山もアストリンゼンを使っています(力道山さん)の広告
・テーブルタイプ20型テレビ「ジャンボ尾崎キリツとコンパクト」(148000円)の広告
・桜坂という歓楽街
<2つの展示の感想>
◆違和感の理由
沖縄が辿った特別な歴史(そもそも琉球王国から考えればさらに)を介すると、沖縄と本土という分け方が生じている原点がうっすらわかる。基地問題、経済格差など沖縄の課題はサンフランシスコ講和条約からずっと続いているということなのかもしれない。
◆視点に縛られないこと
国の視点、マスコミの視点。どちらも一つの歴史で、知っておきたいことだけど、何か足りない感じがする。それはなんだろう。
・友人
・現地をみる
・同時代を生きる
・映画
・ドキュメント
<参考>
◆6/23 慰霊の日
沖縄戦の犠牲者を追悼する日。沖縄戦犠牲者の霊を慰め世界の恒久平和を願う日です。
https://domani.shogakukan.co.jp/504790
▼9/7「沖縄市民平和の日」
降伏文書への調印が行なわれたことから。
◆沖縄戦と牛島司令官を知る映画
『激動の昭和史 沖縄決戦』
沖縄戦を舞台に、十万の軍人と十五万の民間人の運命を描く。
監督:岡本喜八 脚本:新藤兼人 出演:小林桂樹(牛島中将)
配給:東宝(1971年8月14日)
https://eiga.com/movie/36224/
▼Amazonプライム
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B00FIWPVYU/ref=atv_dp_share_cu_r
◆屋良 朝苗(やら ちょうびょう)
琉球政府および沖縄県の政治家、教育者。1968年11月から唯一の公選行政主席として沖縄の日本復帰までその職にあり、復帰後は沖縄県知事を2期務めた。
https://www.youtube.com/watch?v=66-O0VqGTEg
https://www.archives.pref.okinawa.jp/okinawa_related/5426
◆ひめゆりの塔事件(ひめゆりのとうじけん)
1975年7月17日に沖縄県糸満市で発生。縄国際海洋博覧会に際して、皇太子および同妃の第二次世界大戦後初めての沖縄訪問で、火炎瓶を投げつけられた事件
沖縄戦の概要
https://www8.cao.go.jp/okinawa/okinawasen/gaiyou/gaiyou.html
◆忘れてはならない4つの日(宮内庁サイト)
毎年6月23日 沖縄慰霊の日
毎年8月6日 広島原爆の日
毎年8月9日 長崎原爆の日
毎年8月15日 終戦記念日
https://www.kunaicho.go.jp/about/gokomu/odemashi/irei.html
◆沖縄公文書館
https://www.archives.pref.okinawa.jp/
◆1972年
「日中国交回復」
「浅間山荘事件」
「テルアビブ空港乱射事件」
「旧日本軍兵士帰還」
「千日デパート火災」
「情報誌『ぴあ』創刊」
「ピースサインブーム(サインはV)」
「札幌冬季オリンピック開催」
男の子女の子/郷ひろみ
女のみち/宮史郎とぴんからトリオ
学生街の喫茶店/ガロ
さそり座の女/美川憲一
喝采/ちあきなおみ
傘がない/井上陽水
以上、
週末の配信回「タネメガネ」では収録後、気が付いたことや追加で考えたことなどを振り返っています。よろしければそちらもお聴きください。
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