1021◆心の中に同じ空間を建てる、ときどき出る。楽しい小規模オンラインイベントメモ(ブレイクアウトセッションとか多様性とか) #イベントレポート

イベントに足を運んで体感して見えたこと。皆さんと共有したい。今回は小規模なオンラインイベントを楽しむ、楽しくするにはどうしたらいいかを考えます。

コロナ禍でオンラインイベントが非常に増えました。リアルイベントの代替であったものですが、何回か参加をすることで、改めてイベントの核心を考えることもできました。オンオフそれぞれ特性も考えつつ、イベントで考えたい事のヒントをメモ的にお伝えします。

◆主催者と参加者がともにオンラインであることの意味
コロナ禍以前からオンラインへも配信という形は多少ありましたが、なかなか気持ちが行き届いていいなかったこと、多いと思います。しかし主催者側も完全にオンラインとなると、聞き手の気持ちがよくわかるようで。やはり届ける相手に対応した意識だと伝わりやすい。これって、対称性が強まることでわかることもあるのなと。
◆敷居が下がって多様性が増す
ネットなので情報公開さえしていれば、誰でも参加できる。敷居は非常に低い。マニアックなイベントへの心の障壁も少し下がるのかも。地方のイベントにも気軽に参加でき、異文化を簡単に体験できるかと(まるでラジコのタイムフリーのよう)。あるイベントで、声を出さないトークというものに参加しましたが、チャットを加えれば、音声なしで繋がれるという、これってまさに電脳世界です。◆ブレイクアウトセッションの工夫
ZOOMで実装されている小さいグループに分かれて話すことができる仕組み。最近のイベントでは隣同士で話すこともすくなくないので、理解できつつもまだまだ苦手な人、多いかと。ZOOMの場合は分れた先の様子を主催者がモニターし辛いので、始める前の準備運動をなんらか作ることが大切かと。余裕があれば各グループにファシリテーターが必要かもしれません。これって、イベントの体験を濃密にすることの工夫と同じかも。
◆顔だし音出しをどうするか
ZOOMなど各種サービスを使うと、どうしても会場感覚は同じになってしまいます。なので主催者のプレゼン資料や配信者画面に映り込む様子は重要かと思います。シンプルに考えたとしたらお客さんの顔が会場の雰囲気を作る重要な要素かと思います。授業をやる場合もそうですが、顔はできれば出してもらう方が空間作りという意味でも必要かもしれません。また技術的には音は誰かがメインで話している際は、切る方がいいと思いつつも、呼吸や笑いなどを拾えるほど精度が上がれば、切らずにできるといいなあと思います。これって、参加者もイベントを作るという話と同じですね。
◆質疑どうするのか
オンラインでも質問をするにはちょっとした工夫が必要です。よくあるのは、チャットやQA欄に投稿してもらって、書いた人が音声をオンにする、みたいなパターン。普段のイベントならこぼれるものも、テキストに書くことを前提にすると幅広く拾える良さもあります。質問する側も心理的負担がリアルより下がるかもしれません。ただ、イベントで主催側以外の声を入れるという緊張感と面白さでいうと、画面で手を上げるとカタチもありかもですが、あまり見かけなかった。やはり目立つからかな。一方で、個人的・小さい質問が出過ぎてしまう可能性も。この辺は、後でメールベースで返事します、など主催の方で対応するなんてこともありました。質問した側としては有難い対応かと。これって、参加者込みでイベントっていう話に近いのかも。
◆非同期のおんなじ体験の演出
あるイベントでは、前もって自宅に「酒と肉」が届き、手元で飲み食いしながら参加する企画がありました。遠距離だけど、同じ味を感じる、という謎の一体感がありました。オンライン上で体験をさせなくてもいろいろやり方もあるようです。同期しなくても、イベントが始まる前に、資料を配ったり映像を見てもらったり、なにか課題をやってもらったり。会場に来る手間を、体験に振り分けるという方法でイベントの充実度も増すかもしれません。同じ会場にいても、疎外感が否めない時もありますし。
◆みんなで見ている雰囲気が、自分じゃないひとつの生き物を生む
写真一枚、動画数秒でも誰かと見ているという意識があると見え方は変わります。プレゼンターと同じ時間に動画を観る事で、「彼は何を考えているのだろう」と想像したくなっちゃう。周りの人達が見つめている雰囲気は(オンオフちょっと異なりますが)、個人だけでは出せない妄想力を発揮できたりします。同じ時間を共有することで、他人の力を借りる、というかひとつの生き物みたいになる面白さがあります。怖くもありますけど、ひとつの理想でもあるかも。
◆目的中心技術中心による自由度とこぼれるもの
ネットの落語会に行ったら、基本演者さんの真ん前から撮ってくれていました。オンラインなら、カメラの場所も切り替えも、音声の共有も、プレゼン資料も出し入れも、別な場所との中継も結構自由です。今後リアルイベントに行ったら「登壇者も表情も見えないし、資料も狭い席で見辛い」なんて話もあるかもしれません。5Gならより精細な映像もやりとりできるでしょう。それでもなぜかリアルなイベントがいいなあと思う。わざわざ出向いて、人とのご縁を作りたいというのもあるでしょう。個人的には会場に集まる人たちの匂いやファッション、喋り方など雰囲気を感じたいというものもあります。目的外の情報が欲しくなるというか。リアルの魅力でもあると同時に、オンラインの魅力を向上するポイントなのかもしれません。うっかり映った背景の本だなの書名とか覗きたくなりますよね。

 

以上、
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