1777◆ロバートと魔女の宅急便と図画工作の時間と。~「彫刻刀が刻む戦後日本」展 #町田市立国際版画美術館 #イベントリポート

イベントで体感して見えた感じたことを共有したい。今回は、東京都町田市にある国際版画美術館で開催された展示「彫刻刀が刻む戦後日本―2つの民衆版画運動 工場で、田んぼで、教室で みんな、かつては版画家だった」の話をします。https://taneraji.com/<紹介イベント>
◆「彫刻刀が刻む戦後日本―2つの民衆版画運動 工場で、田んぼで、教室で みんな、かつては版画家だった」
これまであまり知られることのなかった版画史の一側面、すなわち「戦後版画運動」「教育版画運動」という2つの民衆版画運動を紹介するもの。およそ400点の作品と資料が一堂に会した。
1章 中国木刻のインパクト 1947~/2章 戦後版画運動 時代に即応する美術 1949~/3章 教育版画運動と『生活版画』 1951~/4章 ローカルへグローバルへ 版画がつなぐネットワーク/5章 ライフワークと表現の追求/6章 教育版画運動の開花 1950年代~90年代

会期:2022年4月23日~7月3日※終了
会場:町田市立国際版画美術館
http://hanga-museum.jp/exhibition/index/2022-512

<ポイント>

手法と考え方との繋がりでみる版画

1◆僕らが覚えている「版画」とは~ロバート「小学生版画クラブ」のネタを思い出しながら
2◆2つの版画を巡る運動~戦後版画運動(1947~50年代後半)と教育版画運動(1951~90年代後半)
3◆驚き!版画が世界を繋いでいた(中国/ソ連/ドイツ)
4◆なぜ教育現場に版画が入っていったのか
5◆気になる作品紹介
おまけ◆現代の学校教育と版画(想像)

<メモ>
・中国日本いろんな作家が手本としたドイツの女性版画家ケーテ・コルヴィッツの「カール・リーブクネヒトの追悼」(1919)
・「白い鳩が平和の象徴」はピカソの版画から始まった?
・海野光弘 中学の時の朝鮮部落の作品
・全国子ども電話相談室の回答者、無着成恭さんのベストセラー『山びこ学校』とのつながり
・絵本「アイヌネノアンアイヌ」 https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=4270
・小林喜巳子《私たちの先生を返して──実践女子学園の斗い》1964年
・滝平二郎『裸の王様』より、1951年、
・小口一郎『鉱毒に追われて』より《治水か破水か》1972年、木版・ポスターカラー、450×710mm・東京都府中市立府中第八小学校6年生20名(指導:前島茂雄)《新宿西口駅前》1970年、木版、900×1800mm、府中市立府中第八小学校蔵
・青森県八戸市立湊中学校養護学級生徒(指導:坂本小九郎)『虹の上をとぶ船・総集編(2)』より《天馬と牛と鳥が夜空をかけていく》1976年、木版、900×1820mm、五所川原市教育委員会蔵(写真提供:青森県立美術館)
・近年でも版画と版画を通して考えることは繋がっている。
・アニメ「魔女の宅急便」で登場したウルスラの絵の元絵はある養護学校の版画だった。
・版画教育で指導をしていた版画家大田耕士(おおたこうし)は宮崎駿のパートナー大田朱美(おおた あけみ)の父。彼の仕事机は、ジブリ美術館に所蔵もしてある。
・版画家大田耕士は『風刺画誌カレカレ』も手掛けた
・内山書店のおとうとと魯迅とのつながり

<参考>
◆みんなの教育技術
【小5小6図工】安全で楽しい木版画の授業 注意点とポイント
木版画は個人作品とはいえ、①下絵の段階から友達と話し合う、②彫刻刀の使い方を確認し合う、③協力して印刷する、④作品を鑑賞し合うなど、活動班での協力や交流が欠かせません。担任は版画指導における全体指導と個別指導と合わせて、子供たちの動きにも気を配り、学級全体で作品づくりを進めていくように心がけておきましょう。執筆/福岡県公立小学校教諭・柳井文陽
https://kyoiku.sho.jp/106178/

◆鵠南の風 はじめての彫刻刀(4年生 版画)藤沢市鵠南小学校(登録日: 2021年12月26日)
https://www1.fujisawa-kng.ed.jp/ekona/index.cfm/1,3760,20,html

◆みんな、かつては版画家だった──教育版画運動と大田耕士旧蔵版画集から考える「私たち」の戦後美術史(アートスケープ)
https://artscape.jp/report/curator/10172818_1634.html

◆2つの民衆版画運動が現代に照射するもの──「生活」的アプローチの広がりとジレンマ(アートスケープ)
https://artscape.jp/report/curator/10177349_1634.html

◆我国の版画教育について(1987)
今井 治男 雑誌名 金沢大学教育学部紀要 教育科学編
https://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=4929&file_id=26&file_no=1

◆「私たち」の美術史に出会える展覧会。町田市立国際版画美術館「彫刻刀が刻む戦後日本」展レビュー(文:横山由季子)東京アートビート
https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/popular-woodcur-review-2022

以上、

週末の配信回「タネメガネ」では収録後、気が付いたことや追加で考えたことなどを振り返っています。よろしければそちらもお聴きください。
https://taneraji.com/series/tane-look-back/

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