1785◆『編集の提案』と「音筆の会」をきっかけに考える令和の編集③~編集会議~ #令和編集考

令和編集考

令和時代の編集のあり方を考えていこう。今回は、津野海太郎著、宮田文久編の書籍『編集の提案』と関連イベント「音筆の会」をきっかけに令和時代の「編集会議」について考えてみます。https://taneraji.com/

<テキスト>

書籍『編集の提案』
晶文社での活動をはじめ出版文化の重要人物でありつづけてきた伝説の編集者・津野海太郎による、過去を携え、現在と共に呼吸し、未来を見すえる編集論集。「本の野蛮状態の先へ」、「編集者というくせのゆくえ」ほか1977年から2001年に書かれた全18篇に加え、鼎談(津野海太郎×宮田文久×若林恵)を新たに収録。伝説の編集者の実践と思索に、「編集」の新たな可能性を探る、「編集者以外の人」のための編集論アンソロジー。

著:津野海太郎 編:宮田文久
発行:黒鳥社(2022年3月15日)
四六版/256P+カラー口絵32P
定価:2200円(2000円+税)
https://note.com/blkswn_tokyo/n/n88012fe4649c 

◆今回のテーマ箇所を一部引用
第2章 人とかかわる、固定観念を脱する 太い指とからっぽの部屋/植草甚一さんの革トランク/編集者としての植草甚一/雑誌のロンサム・カウボーイ

・これからでる雑誌のための編集会議をひらく。十とか二十とかの文章の主題をひねりだし、つぎに、それぞれの頭のなかの人名簿をくって、それらの主題にもっともふさわしいと思われる筆者をさがしあてようとする。その順序が逆になることもある。数時間の苦行ののち、なんとか納得できないでもない組み合わせがいくつかできあがって、会議はおひらきになる。

・「そういうのじゃない雑誌のつくり方はないのかな」と片岡義男がいった。

・ほとんどすべての雑誌が、主題と筆者との対になった組み合わせによって構成されている。それらの雑誌を一か所に積み上げてみれば、おびただしい主題と、その主題についての専門家であるらしい筆者名との、適切な、あるいは思いがけない組み合わせによって、われわれの文化のかたちが決められていることがわかる。

・ほかのどんな雑誌のつくり方があるのだろう。

・その一つは「マニュアル」をつくらないかということだった。ひとり、もしくは数人・数十人の集団が、具体的なものや環境にぶつかって、なにかをやる。その仕事のための手引をつくる。書き手の内部での屈折みたいなものは排除する。編集にかかわる者がその仕事を実際にやってみることが必要である。

・またこんな提案もした。車で小さなまちに入っていく。(略)当たり前過ぎ、小さすぎて、つい見逃してしまいがちなものの一つ一つを、心のなかのできあいのかたちをなぞる情緒的な記号としてではなく記述していけば、そこにいつのまにか、それまでに見たこともない町があらわれてくるのではないか。そういう記述をあつめてみたらどうだろう。

<イベント>
◆音筆の会:番外『編集の提案』の変|第3講「編集会議をやめよう」
https://onpitsu-bangai-03-online.peatix.com/view

<僕らが考える令和編集考「編集会議」篇>
◆編集会議をやめる?
◆そもそも会議やってる?
◆会議をせずに進められる?
◆会議の代わりとなるものは?
◆雑談から生まれるもの?
◆編集会議から逃れたものをいかに残すか?

<過去回>
1736◆『編集の提案』をきっかけに考える令和の編集①~取材と編集~
https://taneraji.com/2022/05/220522_6/

1750◆『編集の提案』と「音筆の会」をきっかけに考える令和の編集②~雑誌と編集~
https://taneraji.com/2022/06/220605_6/

以上、

週末の配信回「タネメガネ」では収録後、気が付いたことや追加で考えたことなどを振り返っています。よろしければそちらもお聴きください。

https://taneraji.com/series/tane-look-back/

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