1860◆2022年9月公開のおすすめ日本映画の感想+α。#百花 #よだかの片想い #川っぺりムコリッタ #犬も食わねどチャーリーは笑う #ドラマ語り 特別編

ドラマの感想や考察、ドラマをきっかけに思ったことを語ります。今回は、「ドラマ語り」特別編として、2022年9月公開のおすすめ日本映画を紹介します。https://taneraji.com/

海外の大作映画はこれから先も、なかなか来ないから、優れた日本映画を観て、日本の映画館を支えよう!

◆百花
劇場公開日:2022年9月9日
菅田将暉と原田美枝子が親子役で主演を務めたヒューマンドラマ。プロデューサー、脚本家、小説家として数々の作品を手がけてきた川村元気が2019年に発表した同名小説を、自ら長編初メガホンをとって映画化した。
レコード会社に勤める青年・葛西泉と、ピアノ教室を営む母・百合子。過去に百合子が起こしたある事件により、親子の間には埋まらない溝があった。ある日、百合子が認知症を発症する。記憶が失われていくスピードは徐々に加速し、泉の妻・香織の名前さえも分からなくなってしまう。それでも泉は、これまでの親子の時間を取り戻すかのように献身的に母を支え続ける。そんなある日、泉は百合子の部屋で1冊のノートを発見する。そこには、泉が決して忘れることのできない事件の真相がつづられていた。
出産を控える泉の妻を長澤まさみ、事件と深い関わりを持つ男を永瀬正敏が演じる。
2022年製作/104分/G/日本
配給:東宝
https://hyakka-movie.toho.co.jp/
https://eiga.com/movie/96247/

→手持ちカメラの長回しが印象的
→認知症表現が日本映画の中では攻めている(『ファーザー』などと比較すると…)
→音楽は流石のクラシック畑出身の網守将平。細かな音の使い方も含めて映画館向き。
→世代が上だったり、小さい子どもが居たりすると感想も違うかも。

◆よだかの片想い
劇場公開日:2022年9月16日
直木賞作家・島本理生の恋愛小説を、「幕が下りたら会いましょう」「今日も嫌がらせ弁当」の松井玲奈主演で映画化。
女子大生の前田アイコは、顔の左側に大きなアザがある。幼い頃から畏怖やからかいの対象にされてきた彼女は、恋や遊びはすっかりあきらめ、大学院でも研究ひと筋の毎日を送っていた。そんなある日、「顔にアザや怪我を負った人」のルポタージュ本の取材を受けて話題となったことで、彼女を取り巻く状況は一変。本は映画化されることになり、監督の飛坂逢太と話をするうちに彼の人柄にひかれていく。飛坂への片思いを自覚したアイコは不器用に距離を縮めていく一方で、自身のコンプレックスとも正面から向き合うことになる。
飛坂役に「グッド・ストライプス」の中島歩。「Dressing UP」で注目を集めた安川有果監督がメガホンをとり、「性の劇薬」の城定秀夫が脚本を手がけた。
2021年製作/100分/G/日本
配給:ラビットハウス
https://notheroinemovies.com/yodaka/
https://eiga.com/movie/95729/

→社会からの視線(態度)と自意識の折り合いを考えさせる
→身近な人からの愛の存在の大きさと向き合い方の難しさ
→映画やドラマとして当事者の方を扱うことの残酷さ、難しさ
→暗いムードが常に付きまとう分、ラストの開放感に救われる

◆川っぺりムコリッタ
劇場公開日:2022年9月16日
「かもめ食堂」「彼らが本気で編むときは、」の荻上直子監督が2019年に発表したオリジナル長編小説を、自身の脚本・監督で映画化。松山ケンイチ主演、ムロツヨシの共演で、孤独な青年がアパートの住人との交流を通して社会との接点を見つけていく姿を描く。
北陸の小さな町にある小さな塩辛工場で働き口を見つけた山田は、社長から紹介された古い安アパート「ハイツムコリッタ」で暮らし始める。できるだけ人と関わることなく、ひっそりと生きたいと思っていた山田の静かな日常が、隣の部屋に住む島田が「風呂を貸してほしい」と山田を訪ねてきたことから一変する。山田と島田は、少しずつ友情のようなものが芽生え始め、楽しい日々を送っていた。しかし、山田がこの町にやってきた秘密が、島田に知られてしまい……。
主人公・山田役を松山、島田役をムロがそれぞれ演じる。タイトルの「ムコリッタ(牟呼栗多)」は仏教の時間の単位のひとつ(1/30日=48分)を表す仏教用語で、ささやかな幸せなどを意味する。
2021年製作/120分/G/日本
配給:KADOKAWA
https://kawa-movie.jp/
https://eiga.com/movie/93916/

→荻上監督らしいゆったりとしたリズムと川っぺりの自然が合う
→隣人やホームレスとの関係などから今の時代のコミュニティのあり方を考えさせる
→生と死の境界が曖昧で死者の権利にも思いを馳せる
→料理が美味しそうで動物たちが可愛い

◆犬も食わねどチャーリーは笑う
劇場公開日:2022年9月23日
ある夫婦の互いにゆずれないバトルを、香取慎吾主演でコミカルに描いたブラックコメディ。
結婚4年目となる裕次郎と日和は、表向きは仲良し夫婦に見えたが、鈍感な裕次郎に日和は不満を募らせていた。そんな日和が鬱憤を吐き出すツールとして出合ったのが、SNSの「旦那デスノート」だった。そこには世の夫たちが見たら驚がくするであろう、妻たちが投稿する本音の数々が書き込まれていた。ある日、裕次郎はそのSNSの存在を知り、自分について書かれていると思われる投稿を見つけてしまう。書き込んでいるのは、チャーリーというハンドルネームの人物だった。チャーリーとは、裕次郎と日和が飼っているフクロウの名前と同じで……。
裕次郎役を香取、日和役を岸井ゆきのが演じるほか、井之脇海、的場浩司、余貴美子らが脇を固める。監督は「箱入り息子の恋」「台風家族」の市井昌秀。
2022年製作/117分/G/日本
配給:キノフィルムズ
https://inu-charlie.jp/
https://eiga.com/movie/96984/

→タイトルや予告編からは想像できない展開に
→単なる夫婦不和ものではなく、そもそも結婚とはなにかを考えさせる話に
→様々な結婚の形を見せることによって結婚そのものの正解の無さを提示する
→香取慎吾と岸井ゆきのが2人しか考えられないようなキャスティングに

 

以上、

週末の配信回「タネメガネ」では収録後、気が付いたことや追加で考えたことなどを振り返っています。よろしければそちらもお聴きください。
https://taneraji.com/series/tane-look-back/

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